COCOON_mask
素材:プラスタークロス、不織布マスク、木材、ステンレス
今ほどマスクを意識した時代はないでしょう。
ウイルスからの防御はもとより、体や心を隠す道具として、変身する手段として社会生活に多大な影響を与えています。
マスク警察、同調圧力、顔パンツなど顔の一部を隠すことで生まれた心理は、他者とのコミュニケーションを歪ませています。
世の中に蔓延する様々なマスクは、さらに透過性を減じて繭のように閉じてしまいそうです。
<COCOON_mask>は、マスクの断片を織り込んで作られた繭です。
折れた骨を固定するギプスの素材(プラスタークロス)と侵入するものを防ぐ不織布マスク。
「繋ぐもの」と「隔てるもの」相反する2つの素材で作られた繭です。
コミュニケーションを求めて外に向かう力と傷つけられまいと内に閉じていく力のせめぎ合いが鋭角に削ぎ落とされた異形の繭を作り上げます。
息苦しい閉塞感に包まれた現代、この繭から生まれ出るものは一体何なのでしょうか?